Trivial Technologyゲーム紹介(8) ソリティアKing(Solitaire King)

(注・日付捏造してます。実際は8月17日に書いた記事です)



https://itunes.apple.com/jp/app/solitaire-lite/id302866300?mt=8 (無料版)
https://itunes.apple.com/jp/app/solitaire-king/id302866295?mt=8 (有料版)
(当方、iPadは持っていますが、iPhoneは持っていません。iPadだけでプレイしてのレビューになりますので、あらかじめご了承ください)


 10種類のソリティア(トランプ一人ゲーム)が遊べるアプリです。
 ソリティアといえばアプリ業界(?)の定番ですが、さて、TrivialTechnologyのソリティアにはどんな特徴があるでしょうか。

フリーセル

 基本的なルールを説明する必要はないと思うので省略。ご存じない方はここを参照のこと。
 このアプリには、通常のフリーセルの他、「ボーナスフリーセル」「ハードセル」「ジェイルセル」という3つのバリアントが収録されています。

・「ボーナスフリーセル

 フリーセルの数が8つに増え、簡単になっています。

・「ハードセル」

 場札が裏返しになっていて、大幅に難易度が上がっています。

・「ジェイルセル」

 ハードセルと同じですが、フリーセルの数が8つに増えています。丁度良い難易度で、バリアントの中では一番面白いと思います。

クロンダイク

 いわゆる「ソリティア」です。「1枚配りルール」と「3枚配りルール」の両方を選択できます。
 これも説明する必要はないと思うので、ご存じない方はここを参照のこと。

○スパイダー

 F・ルーズベルトがハマったという逸話があるゲームです。
 これも説明する必要はないと思うので、ご存じない方は以下同文
 Windowsスパイダーソリティアと同様、「マーク1種類」「2種類」「4種類」の中から選べます。
 それから、「スパイダレッテ」というバリアントも選択可能です。これは一言で言えば「トランプ52枚だけを使ったスパイダー」なのですが、決して簡単というわけではなく、むしろこっちの方が難しいです。「マーク4種類」なんか全く可能性感じません、はい。

○ピラミッド

 これも有名なゲームですので、特にここでルールを説明する必要はないと思います。(ご存知ない方はこちらを参照)
 ただ、ピラミッドは、書籍やゲームソフト等によって細かいルールがまちまちですので、このアプリで採用されているルールをまとめます。

  • ピラミッドのカードはすべて表向き。
  • 捨て札を回収できる回数は、0回から2回の中から選択可能。
  • ピラミッドのカードを全部取ればクリア。山札や捨て札を全部取る必要はない。
  • あるカードの上に他のカードが1枚だけ重なっている場合、その2枚をペアにすることができる。

 なお、クリア条件を満たしても、山札を全部めくるまではクリアにならないようなので、慌てずに山札を粛々とめくりましょう。

○ポーカーソリティア


 次々めくられるカードを5×5のマス目に並べてゆきます。
 縦か横に5枚揃うと、その5枚のカードでできたポーカーの役に応じて、点数を獲得できます。
 採点方式は「アメリカ式」と「イギリス式」の両方から選べ、イギリス式はストレートの点数が高く、フラッシュの点数が低く設定されています。

  • ワンペア       米: 2点 英: 1点
  • ツーペア       米: 5点 英: 3点
  • スリーカード     米: 10点 英: 6点
  • ストレート      米: 15点 英:12点
  • フラッシュ      米: 20点 英: 5点
  • フルハウス      米: 25点 英:10点
  • フォーカード     米: 50点 英:16点
  • ストレートフラッシュ 米: 75点 英:30点
  • ロイヤルフラッシュ  米:100点 英:30点

 また、通常のポーカーソリティアに加え、「スイッチ・ア・ルー」「サーペントポーカー」というバリアントも選べます。

・「スイッチ・ア・ルー」

 配置したカードを自由に移動させたり入れ替えたりでき、通常のポーカーソリティアよりも高得点が期待できます。
 なお、最後のカードを置いた時点でゲーム終了になるので、最後のカードを置く前に、可能な限りカードを入れ替えておきましょう。

・「サーペントポーカー」

 最初のカードは好きな場所に置けますが、2枚目以降は、前に置いたカードと縦か横に隣り合った場所にしか置くことができません。(ただし、置ける場所がない場合は、好きな場所に置ける)

モンテカルロ


・5×5に並べられた場札のうち、数字(文字)が同じものが縦か横か斜めに隣り合っている場合、その2枚をペアにして取り除くことができます。
・場に空席がある状態で山札をタップすると、場札を詰めた後、空席の数だけカードを追加します。(詰め方は上図参照)
 山札がなくなった後は、詰める作業だけを好きなタイミングで行えます。
・全部のカードを取ることができれば、クリアです。

○ラ・ベル・ルーシー


・場札の先頭のカードを1枚ずつ動かすことができます。
・組札置き場には最初はAを置き、以降は同じマークで上り順にカードを重ねてゆきます。
・場札の上には、同じマークで下り順にカードを重ねることができます。
 場札に空席ができても、そこにカードを下ろすことはできません。
・途中で手が詰まったら、2回まで場札をシャッフルし、配り直すことができます。
・全部のカードを組札置き場に移動させれば、クリアです。

○ゴルフ


・場札の先頭のカードの中から、台札と数字が1だけ違うものを選び、タップして取り除きます。
・取り除いたカードが次の台札になるので、同じようにして連続して取り除いてゆきます。
・取れるカードがなくなったら、山札をタップしてめくり、新しい台札にします。
・山札がなくなる前に、場札を全部取ることができれば、クリアです。


 ゲーム開始時に「Allow Wrapping」をONにすると、AとKが繋がるルールになります。
 OFFにした場合はAとKは繋がりません。

○クロック(時計)


・カードを4枚重ねた山が13個ある状態からスタートします。
 周りの12個の山は時計盤の数字に対応していて(図参照)、中央の山は13(K)に対応しています。
・最初に、中央の山(Kの山)の一番上のカードが1枚めくられるので、その数字に対応した山をタップし、山の一番底に移動させます。
 すると、その山の一番上のカードがめくられるので、また同じように動かしてゆきます。
・途中で手詰まりにならずに、全部のカードを対応した山に移動できれば、クリアになります。


 有名なゲームですが、考える要素ゼロの、完全に運だけのゲームです。(成功率は1/13とのこと)
 個人的にこういうゲームはあまり好きではありません。

○Stalactities(鍾乳石)


 他のものに比べてもかなりマイナーなソリティアです。
・組札置き場には、ランダムに選ばれた4枚のカードが置かれています。
 このカードの上に、増分1か、もしくは増分2になるように、マーク関係なしでカードを重ねてゆきます。
 その際、増分1の場合はKの次はA、増分2の場合はQの次はA、Kの次は2になります。

  • 増分1:A→2→3→4→5→6→7→8→9→10→J→Q→K→A→……
  • 増分2:A→3→5→7→9→J→K→2→4→6→8→10→Q→A→……

 一度増分をいくつにするか決めたら、すべての組札で統一しなければなりません
 組札は13枚重ねたら、それ以上は重ねられません。
・場札は、先頭のものを1枚ずつ、組札かフリーセルに移動させることができます。
 フリーセルのカードも、移動できる時が来たら組札に移動できます。
・全てのカードを組札に移動させれば、クリアです。

◎感想

 ソリティアのアプリは数多ありますが、このアプリは色々な意味で「惜しい」アプリだと思います。


 確かに、他のアプリにはない長所は多いです。
 たとえば、ポーカーソリティアで、点数計算方法を「アメリカ式」と「イギリス式」から選べるというのは、他のアプリではあまり見かけません。(大抵はアメリカ式だけで、たまにイギリス式を採用しているものがある)
 フリーセルのバリアントである「ジェイルセル」はこのアプリのオリジナルだと思いますが、普通のフリーセルとはまた違った面白さで、結構楽しめました。
 「鍾乳石」のような「ド」のつく程のマイナーなゲームを持ってくるセンスも、好感が持てます。


 しかし、「もうちょっと何とかならなかったの?」と思える点も多く、いくつか問題点を挙げると、

クロンダイクやスパイダーはドラッグ移動に対応しているのに、フリーセルやルーシーは対応していない。
フリーセルの「自動移動」で、ホームセルに移動できるカードがあると、何でもかんでも見境無く移動させてしまう。
(Windowsフリーセルでは『場に残していても意味がないカードだけ移動させる』という風になっているのですが)
・「鍾乳石」で組札の最初のカードが隠れてしまうため。いつになったら「それ以上重ねられない状態」になるのかわからない。
・「時計」で最初のカードが表示されないことがある。


 以上、「光る部分はあるが、問題点も少なくない」というのが、現時点での感想です。
 前回のバックギャモンに続いてまた文句ばかりで申し訳ないのですが、Trivial Technologyの高い技術力を見込んでのことですので、是非とも改善を期待したいところです。


トランプ―ひとり遊び88選 (朝日選書)

トランプ―ひとり遊び88選 (朝日選書)

↑持っていますが名著です。オススメです。