Trivial Technologyゲーム紹介(7) バックギャモン(Backgammon)

(注・日付捏造してます。実際は8月16日に書いた記事です)



https://itunes.apple.com/jp/app/backgammon-free/id299466486?mt=8 (無料版)
https://itunes.apple.com/jp/app/backgammon-premium/id299466740?mt=8 (有料版)
(当方、iPadは持っていますが、iPhoneは持っていません。iPadだけでプレイしてのレビューになりますので、あらかじめご了承ください)


 西洋双六です。
 その歴史は古く、その起源は古代エジプトの「セネト」とも言われ、5世紀には今とほぼ同じ形になったと言われています。日本でも奈良時代には「盤双六」として遊ばれていました。
(本来『双六』というのはこの盤双六を指す言葉で、今で言う双六が登場したのは江戸時代になってから。徒然草に出てくる『双六の名人』というのも盤双六=バックギャモンの名人)
 まあ、有名なゲームですし、私が色々語ろうにも「何を今さら」的なことしか言えないので、詳しくは http://www.h-eba.com/heba/BG/bg0.html あたりを参照してくださいませ。

◎ルール

・このゲームは、二人で遊ぶボードゲームです。

・お互い15個の駒が、図のように配置された状態で始まります。
 白の側のプレイヤーは、右上から反時計回りに右下を目指し、黒の側のプレイヤーは、右下から時計回りに右上を目指します。


・最初にお互い1個ずつダイスを振り、大きい目を出した方が先手になります。
 同じ目だった場合はダイスを振り直します。
 先手の第1手は、順番決めに使ったダイスの目をそのまま使います。

○駒の動かし方

・まず、二個のダイスのうち片方を使い、駒をダイスの目の数だけ進めます。
 相手の駒が二個以上あるマス(ブロックポイント)には動かせません。
 そのあと、もう片方のダイスの目を使って、同じように駒を進めます。同じ駒を連続して動かしても構いません。


・以降は、お互い代わりばんこにダイスを二個振って、同じように動かしてゆきます。


・ダイス目が二個とも同じ(ゾロ目)になった場合は、出た目を2回ではなく、4回使って動かします。
 たとえば、5のゾロ目が出た場合は、「5マス移動」を4回行います。


・出したダイス目は、可能なら必ず使わなければなりません。動かせる駒がない時のみ、ダイス目を使わずに自分の番を終了させることができます。
 ただし、ダイス目を両方とも使えるような動かし方があるのなら、そのような動かし方をしなければなりません。
 また、ダイス目のうちどちらか片方しか使えない場合は、大きい目の方を使わなければなりません。


○ヒットとエンター

・相手の駒が一個しかない場所に駒を移動させた場合は、相手の駒を盤上から「バー」に移動させることができます。これをヒットと言います。


・バーに駒があるプレイヤーは、ダイス目を使って駒を盤上に戻さなければいけません。
 これをエンターと言い、バーにある駒を全てエンターさせるまで、他の駒を動かすことはできません。



・エンターできる位置は、ダイス目をnとした場合、自分のコースの始め(白の場合は右上、黒の場合は右下)からn番目の位置になります。
 相手の駒が二個以上あるマスにエンターすることはできません。
 エンターできる場所がない場合は、そのターンは何もできずに終了になります。

○ベアリングオフ

・全部の駒を、自分のインナー(自分のコースの後ろから6番目以内)に入れると、ダイス目を使って駒を上げることが可能になります。これをベアリングオフ(ベアオフ)と言います。



・ダイス目をnとした場合、コースの終わりからn番目のマスにある駒をベアオフすることができます。
 ただし、n番目のマスにも、その後ろにも駒がない場合は、代わりに一番後ろの駒をベアオフさせます。


・ベアオフの途中でヒットされてしまった場合は、ヒットされた駒を再びインナーに入れるまで、ベアオフはできません。


・先に全ての駒をベアオフさせたプレイヤーが、そのラウンドの勝者になります。

○点数

 どのような状態で勝ったかによって、獲得できる点数が変わります。
・相手が駒を一個も上げておらず、かつ、バーか自分のインナーに相手の駒がある状態で勝った場合は「バックギャモン勝ち」となり、3点を獲得します。
・相手が駒を一個も上げていない状態で勝った場合は「ギャモン勝ち」となり、2点を獲得します。
・上記以外の勝ち方の場合は、「シングル勝ち」となり、1点を獲得します。

◎マッチプレイ

 ルール設定で目標点数を設定した場合は、どちらかが目標点数に達するまでゲームを繰り返し、先に目標点数に達したプレイヤーが勝者となります。

○ダブル

・ルール設定で「ダブリング」をONにした場合は、ダイスを振る前に、「このラウンドで獲得できる点数を二倍にしよう」と提案することができます。これを「ダブル」と言います。
 ダブルされた側は、ダブルを受け入れるか(テイク)、拒否するか(パス)を選択します。テイクした場合は、点数の倍率を2倍にした上でゲームを続行し、パスした場合はその場でシングル負けになります。
・一度ダブルしたプレイヤーは、相手がダブルしてくるまで、自分から再びダブルすることはできません。

○クロフォードルール

 どちらかの点数が「目標点数-1点」に達した場合、次のラウンドではどちらもダブルすることができません。これをクロフォードルールと言います。
 ダブル不可のラウンドが終わった次のラウンドからは、再びダブルが可能になります。

◎バリアント

○ナックギャモン(NackGammon)

 初期の駒の配置が変わり、コースの始めから2番目に2個の駒が置かれた状態になります。

○オールドイングリッシュ(OldEnglish)

 同じマスに6個以上の駒を置けなくなります。
(付属のヘルプには『ダイスを2個使える動かし方があっても、必ずしも両方使わなくて構わない』という旨のことが書いてありますが、そういう状況になったことがないのでよくわかりません)

◎感想

 バックギャモン自体については特に言うことはありません。間違いなく面白いゲームですし、私のようなド下手が何か言ってるのを聞くよりは、世に数多いる海千山千の猛者たちのお話を聞いた方がいいと思います。
(ギャモンに興味を持たれた方は、まずAmazonあたりでバックギャモン・ブックを購入されることをお勧めします)


 このアプリの特長は、「ナックギャモン」や「オールドイングリッシュ」といったバリエーションが選べる点でしょう。特に「ナックギャモン」は、脱出困難な場所にある駒をいかにして脱出させるかがポイントとなり、普通のバックギャモンとはだいぶ違う展開が楽しめます。
 あと、EASYが本当にイージーです。CPUが、いかにも「接待プレイですよ〜」とでも言いたげな手をガンガン打ってくれるので、お手軽に勝利の快感を味わいたいのならうってつけです。


 ただ、オンライン対戦でマッチプレイ(『○点先取で勝ち』というプレイ)ができないのはいただけません。Windows付属のインターネットバックギャモンでもマッチプレイはできるのに、ダブルもギャモン狙いもほとんど意味がないシングル戦のみというのはいかがなものかと。(対戦相手が見つかりやすいのは幸いですが)
 それから、担当色が黒になると、強制的に「右下スタート右上ゴール」になってしまうのもマイナス。大抵のバックギャモンアプリは担当色に関係なく「右上スタート右下ゴール」で固定されてるので、かなり違和感があります。これがCPU戦のみだったら「白を使っておけばいい」という話なのですが、オンライン対戦だと黒担当になることもあるので、この辺りは改善してほしいです。


 なんか文句ばかり言ってるようで申し訳ないのですが、技術力があるメーカーだというのは他アプリでもわかっていますし、現在でも小まめにアップデートが行われているようですので、これからの期待を込めて。

バックギャモン・ブック

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