Trivial Technologyゲーム紹介(3) ピノクル(Pinochle)

(注・日付捏造してます。実際は8月14日に書いた記事です)



https://itunes.apple.com/jp/app/pinochle-lite/id349848312?mt=8 (無料版)
https://itunes.apple.com/jp/app/pinochle-hd/id364543479?mt=8 (有料版)
(当方、iPadは持っていますが、iPhoneは持っていません。iPadだけでプレイしてのレビューになりますので、あらかじめご了承ください)


 ピノクルは、「各マークのA・10・K・Q・J・9だけを2組使う」という、変わったトランプセットを使うトリックテイキングゲームです。アメリカでは人気のあるゲームで、ピノクル専用のトランプも存在するとのこと。
 トリックテイキングゲームというのは、「各プレイヤーが1枚ずつカードを出し合い、最も強いカードを出したプレイヤーが出されたカード(トリック)を獲得する」というゲームで、コントラクトブリッジやハーツ、スペード等が有名です。
 「ビッド」「チーム制」「切り札」といったよくあるルールを採用している、じつに「トリックテイキングゲームらしいトリックテイキングゲーム」なのですが、さらに「役を作って点数を獲得する」というユニークな要素も取り入れています。

◎ルール

・2対2のチーム戦で、チームメイト同士が向かい合って座ります。
 使用するカードは、各マークのA・10・K・Q・J・9をそれぞれ2組の、合計48枚です。(標準ルールの場合)


・最初のラウンドはランダムで親を決定し、以降のラウンドは時計回り順に親を交代します。
 1ラウンドは、最初に全員に12枚のカードを配ったあと、「ビッド」→「カードの交換」→「メルド」→「トリックテイキング」→「スコアリング」という流れで進みます。

○ビッド

 今回のラウンドの目標点と、誰が「ディクレアラー(宣言者)」になるのかを決定します。


・最初に親が、自動的に「250点」とビッド(宣言)します。
 以降は時計回りに、前の人よりも10点高いビッドをするか、パスするかを決定します。パスしたプレイヤーは、このラウンドはもうビッドできません。
 一人以外全員パスしたら、最後にビッドした人がディクレアラーになり、4つのマークのうちどれを「切り札」にするのかを決定します。
 以降、ディクレアラーのチームはビッドした以上の点数を取ることを目指し、もう片方のチームはそれを阻止することになります。

○カードの交換

 切り札を決定したら、ディクレアラーのチームメイトは、4枚のカードを選んでディクレアラーに差し出します。
 その後ディクレアラーは、チームメイトに4枚のカードを選んで差し出します。

○メルド

 各チームのプレイヤーは、手札の中に以下のような「役」ができている場合、それを公開(メルド)して点数を獲得します。

  • ラン 150点
     切り札のA・10・K・Q・Jが揃っている
  • ダブルラン 1500点
     ランが2組
  • トリプルラン 2250点
     ランが3組(80枚ルールの時のみ)
  • クアドラプルラン 3000点
     ランが4組(80枚ルールの時のみ)
  • マリッジ 切り札は40点、それ以外は20点
     同じマークのKとQが揃っている。
     ランが成立している場合は、ランを構成しているKとQの他に、もう1枚KかQを持っていると、マリッジが成立する。*1
  • ディース 10点
     切り札の9を持っている。
  • エースアラウンド 1組:100点 2組:1000点 3組:1500点 4組:2000点
     全マークのAを持っている。
  • キングアラウンド 1組:80点 2組:800点 3組:1200点 4組:1600点
     全マークのKを持っている。
  • クイーンアラウンド 1組:60点 2組:600点 3組:900点 4組:1200点
     全マークのQを持っている。
  • ジャックアラウンド 1組:40点 2組:400点 3組:600点 4組:800点
     全マークのJを持っている。
  • ピノクル 1組:40点 2組:300点 3組:600点 4組:900点
     ダイヤのJとスペードのQを持っている。


・1枚のカードを、別の役で掛け持ちさせることも可能です。
 たとえば、4種類のKとハートのQを持っている場合は、「キングアラウンド」と「マリッジ」が同時に成立します。

○トリックテイキング

 メルドが終わったら、ゲーム本編である「トリックテイキング」に移ります。
 最初はディクレアラーが「リーダー」になります。


・まず、「リーダー」となったプレイヤーが、手札の中から1枚を選んで場に出します。(これをリードと言う)
・以降は、時計回り順に1枚ずつカードを出してゆくのですが、リードされたカードと同じマークのカードを持っている場合は、必ずそのカードを出さなければなりません
 持っていない場合は、好きなカードを出すことができます。
・全員カードを出し終わったら、リードされたカードと同じマークで、最も強いカードを出したプレイヤーが、出されたカードをすべて獲得します。
 カードの強さはA>10>K>Q>J>9で、数字(文字)が同じ場合は先に出された方が強くなります。(10が2番目に強いことに注意)
 ただし、切り札が出ている場合は、最も強い切り札を出したプレイヤーがカードを獲得します
 この獲得したカードを「トリック」と呼び、手札とは別の場所に置いておきます。
・トリックを獲得したプレイヤーが次のリーダーになり、全員の手札がなくなるまでこれを繰り返します。

○出せるカードの制限

 出せるカードには、以下のような制限があります。
・ルール選択で「クラシック(Classic)」を選んだ場合
 トリックを獲得できる可能性のあるカードを持っている場合は、必ずそのカードを出さなければなりません。
・ルール選択で「モダン(Modern)」を選んだ場合
 以上の制限は、切り札でリードされた時のみ適用されます。

○トリック点

 K・10・Aを手に入れたチームは、1枚につき10点を獲得します。
 最後のトリックを獲得したチームは、さらに10点を獲得します。

○スコアリング

 全員が手札を出し終わったら、獲得した点数のチェックを行います。
・ディクレアラーのチームは、メルドとトリックの点数がビッドした点数に満たなかった場合、メルドとトリックの点数はすべて無かったことになり、さらにビッドした分だけ点数が引かれてしまいます。
・ディクレアラーではないチームは、一回もトリックを獲得できなかった場合、ディース以外の役が全て無効になってしまいます。


 以上を繰り返し、先に1500点に到達したチームが勝ちになります。
 ただし、両チーム同時に1500点に達した場合は、ディクレアラーのチームが勝ちになります。

◎80枚ルール

 ゲーム開始時のオプションで「DeckSize」を「80」にした場合、9のカードは使わなくなり、トランプの組数が4組になります。
 このルールの場合は、ゲーム終了の点数は5000点に、手札の枚数は20枚、最低ビッド点は500点になります。

◎感想

 「上手くいけばメルドで大量点」という事が頻繁に起こるため、コントラクトブリッジと比べると運の要素が強いな、という印象を受けました。(アソビ大全コントラクトブリッジしか遊んだことありませんが)
 そのおかげで(私のような)初心者でも十分勝ち目があり、その運と実力のバランスが人気の理由なのでしょうか。今回の8本セットの中では注目度は低かったのですが、予想外に面白いゲームでした。
 ただ残念ながら、対人戦をしたくてもマッチング相手が見つかった試しがありません。
 友人相手に遊ぶこともできるようですが、あいにくぼっちなもので、すみません。


参考:http://gamefarm.jp/rule/pinochle.html

*1:このアプリではこういうルールになっていますが、「ランを構成しているKとQはマリッジには使えない」というのが一般的なようです。このサイト→http://www.pagat.com/marriage/pinmain.html で紹介されているルールには「ラン+KorQの場合は190点、ラン+K+Qの場合は230点」とありますが、このアプリではラン+K+Qの場合でも190点です。